ChatGPTを業務で使う——中小企業の実践事例と、明日から使えるプロンプト集
中小企業がChatGPTを日常業務で使うための具体的な方法を、すぐに使えるプロンプト例付きで解説する。
ChatGPTのアカウントは作った。でも何に使えばいいかわからない。
「AIで業務効率化」と言われても、具体的に何をどうすれば効率化されるのかイメージがわかない。試しに触ってみたが、雑談で終わった。
この記事では、中小企業の日常業務でChatGPTをどう使うか、コピペで使えるプロンプト付きで整理する。
使い方の基本:「8割の下書き」を作らせる
ChatGPTの使い方を一言で言うと、ゼロからイチを作らせる道具だ。
完璧な成果物は出てこない。でも「8割完成した下書き」は出てくる。残り2割を自分で直す。
「メールを1から書く」のに15分かかるところ、ChatGPTに下書きを作らせて修正するなら5分。1日10通なら、1日100分の節約になる。
業務別の使い方とプロンプト例
1. メール返信の下書き
使いどころ: 問い合わせ対応、お礼メール、断りのメール、催促メール
プロンプト例:
以下の問い合わせメールに対して、丁寧な返信の下書きを作成してください。 当社は〇〇のサービスを提供しています。 返信のトーンは丁寧だが堅すぎない程度で。
(メール本文を貼り付け)
削減効果: 1通あたり10〜15分 → 3〜5分
コツ: 「当社は〇〇」と自社の情報を入れると、的確な返信が出てくる。毎回同じ前提を書くのが面倒なら、「カスタム指示」に登録しておく。
2. 議事録の要約
使いどころ: 会議後の議事録作成、録音の文字起こし後の整理
プロンプト例:
以下の会議メモを、議事録として整理してください。 フォーマット:
- 日時・参加者
- 議題ごとの要約(箇条書き)
- 決定事項
- 次のアクション(担当者・期限)
(会議メモを貼り付け)
削減効果: 30分の会議の議事録を、10分 → 3分で作成
コツ: メモは雑でいい。走り書きのメモを入れても、ChatGPTがきれいに整理してくれる。
3. 提案書・企画書の骨子作成
使いどころ: 社内提案、クライアントへの企画書、プレゼン資料の構成
プロンプト例:
以下の条件で、提案書の構成案を作成してください。
- 提案先:〇〇株式会社(業種:〇〇)
- 提案内容:〇〇の導入
- 予算感:〇〇万円
- 目的:〇〇を改善すること 構成はスライド5〜8枚分で。各スライドの見出しと要点を書いてください。
削減効果: 構成を考える時間が1時間 → 15分
コツ: 最初から完成品を求めない。まず構成を作らせて、そこから肉付けする。
4. 求人票・募集文の作成
使いどころ: 採用ページ、求人媒体への掲載文
プロンプト例:
以下の条件で、求人票の本文を作成してください。
- 職種:〇〇
- 雇用形態:正社員
- 勤務地:〇〇
- 必須スキル:〇〇
- 年収目安:〇〇万円
- 会社の特徴:〇〇(20人規模、〇〇業界) トーンは堅すぎず、「この会社で働きたい」と思えるように。
削減効果: 1時間 → 15分
コツ: 他社の求人票で「良い」と思ったものをChatGPTに見せて「このトーンで書いて」と指示すると、クオリティが上がる。
5. データの整理・分析
使いどころ: 売上データの傾向分析、アンケート結果の集計、CSVデータの加工
プロンプト例:
以下の売上データから、以下を分析してください。
- 月別の売上推移
- 上位5商品
- 前年比の増減が大きい商品
- 気づいた傾向やパターン
(データを貼り付け、またはCSVファイルをアップロード)
削減効果: 集計・分析に1〜2時間 → 15分
コツ: ChatGPT Plus(有料版)ならファイルをアップロードできる。Excelやスプレッドシートのデータをそのまま渡せる。
6. マニュアル・手順書の作成
使いどころ: 新人向けの業務マニュアル、ツールの使い方ガイド
プロンプト例:
以下の業務の手順書を作成してください。 業務名:〇〇の処理 対象者:新入社員(業務知識なし) 使うツール:〇〇 手順を番号付きで、各ステップにスクリーンショットの挿入位置も指定してください。
削減効果: 3時間 → 30分
コツ: 自分が口頭で説明する内容を録音して、文字起こし→ChatGPTに整理させると早い。
効果を数字で測る
1〜2週間使ったら、効果を計算する。
計算式:
月間削減時間 = 1回あたりの短縮時間 × 月の回数
年間コスト削減 = 月間削減時間 × 12 × 時給
例:
- メール返信: 10分 × 60回/月 = 月10時間
- 議事録: 20分 × 8回/月 = 月2.7時間
- 合計: 月12.7時間 → 時給2,000円なら 年間30万円
数字が出ると、有料プラン(月3,000円)の投資判断ができる。年間30万円の削減に対して年間3.6万円の投資。ROIは明確だ。
セキュリティの注意点
ChatGPTに入力した情報は、設定によってはAIの学習に使われる。以下を守る。
- 個人情報を入力しない: 顧客の名前、住所、電話番号、メールアドレス
- 機密情報を入力しない: 未公開の決算情報、契約内容、社内の人事情報
- 有料プランまたは法人プランを使う: 入力データが学習に使われない設定を確認する
- 社内ルールを作る: 「ChatGPTに入れていいもの/ダメなもの」を決めておく
心配なら、固有名詞をダミーに置き換えてから入力する。「A社の田中さん」→「クライアントの担当者」のように。
次のステップ
ChatGPTで効果が出たら、次を検討する。
| 段階 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 今 | ChatGPTを手動で使う | 0〜3,000円/月 |
| 次 | プロンプトを社内で共有・テンプレ化 | 0円 |
| その次 | APIで業務フローに組み込む | 10〜50万円 |
| さらに | 自社データを学習させた専用ツール | 30〜100万円 |
→ 詳しくは:中小企業のAI導入、何から始めればいいか
ChatGPTは「何でもできるAI」ではなく、「8割の下書きを高速で作る道具」だ。この前提で使えば、今日から業務時間を削れる。まず一番面倒な作業を1つ試すところから。
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この記事を書いているFloat Engineeringは、中小企業向けのAI導入・開発を手がける会社です。 代表が直接ヒアリングし、そのまま自分の手で作ります。ChatGPT・Claudeの業務組み込みから、社内ツールへのAI搭載まで、30万円〜で対応しています。
「AIでこういうことできますか?」くらいの相談で構いません。