フリーランスと開発会社、どっちに頼むべきか——判断基準を整理する
システム開発やWeb制作を外注するとき、フリーランスと開発会社のどちらに頼むべきか。費用、品質、リスクの観点から判断基準を整理する。
「フリーランスと開発会社、どっちに頼めばいいですか?」
この質問をよく受ける。答えは「案件による」なのだが、それだけでは判断できないので、具体的な基準を整理する。
費用の違い
同じ成果物でも、依頼先で費用は変わる。
| 依頼先 | 人月単価の目安 | 10ページのWebサイト |
|---|---|---|
| 大手開発会社 | 100〜150万円 | 150〜300万円 |
| 中堅開発会社 | 70〜120万円 | 80〜200万円 |
| 小規模開発会社 | 50〜80万円 | 30〜100万円 |
| フリーランス | 40〜80万円 | 10〜50万円 |
この差は技術力の差ではない。コスト構造の差だ。
大手は営業、PM、ディレクター、デザイナー、エンジニアがチームで動く。最低でも3〜5人が関わるため、固定費が高い。フリーランスは一人で全部やるか、必要に応じて仲間に声をかける。固定費が低い分、単価が安い。
品質の違い
フリーランスの品質はばらつきが大きい。これが最大のリスクだ。
開発会社の場合:
- コードレビューの仕組みがある
- 品質基準が社内で統一されている
- 一人が抜けてもプロジェクトが止まらない
フリーランスの場合:
- スキルが完全に個人に依存する
- レビューする人がいない(自分で自分のコードをチェックする)
- 体調不良や他案件の影響をもろに受ける
ただし、優秀なフリーランスは開発会社の平均的なエンジニアより品質が高いこともある。問題は、発注側にその見極めができるかどうかだ。
リスクの違い
連絡がつかなくなるリスク
フリーランスとの仕事で最もよく聞くトラブルが「途中で連絡が取れなくなった」だ。
原因はさまざまだが、構造的な問題がある。フリーランスは一人なので、体調を崩す、他の案件が炎上する、単純に逃げる——どのケースでも、代わりがいない。
開発会社は法人なので、担当者が抜けても会社として対応する責任がある。契約も法人間のため、法的な保護が強い。
途中で止まるリスク
フリーランスに頼んだプロジェクトが7割で止まる、というケースは珍しくない。最初の勢いはあるが、細かい修正や運用対応で手が止まる。
開発会社はプロジェクト管理の仕組みがあるため、完了まで持っていく力は強い。ただし、大きな会社ほど意思決定が遅く、小さな変更にも時間がかかる。
判断基準の一覧
| 判断基準 | フリーランスが向いている | 開発会社が向いている |
|---|---|---|
| 予算 | 〜100万円 | 100万円〜 |
| 期間 | 〜2ヶ月 | 2ヶ月〜 |
| 仕様の明確さ | 仕様書が書ける | 一緒に要件を詰めたい |
| 技術の目利き | 発注側にできる | できない |
| 運用・保守 | 不要 or 自分でやる | 必要 |
| リスク許容度 | 多少のトラブルは許容できる | トラブルは許容できない |
| コミュニケーション | 直接やりとりしたい | 間にPMが入っても構わない |
第3の選択肢:小規模な開発会社
実は「フリーランス vs 大手開発会社」の二択で考える必要はない。
小規模な開発会社(1〜5人)は、両方のいいとこ取りができる。
- フリーランスのような直接性: 代表やエンジニアと直接やりとりできる。間に営業やPMが入らない。
- 法人としての安心感: 契約は法人間。連絡が途絶えるリスクが低い。
- 費用は中間帯: フリーランスより少し高いが、大手の1/3〜1/5。
この選択肢が存在することを知らない人が多い。開発会社というと大きな会社を想像しがちだが、代表が自分で手を動かす小さな開発会社は、50〜150万円の中間帯の案件にちょうどフィットする。
依頼する前にやること
依頼先を決める前に、3つだけ整理しておく。
1. 何を作りたいか 「Webサイトを作りたい」ではなく「月に10件の問い合わせが来るサイトがほしい」のように、目的で考える。
2. 予算の上限 正確でなくていい。「30万円以内」「100万円くらい」というレベルで十分。予算感を伝えることで、提案の精度が上がる。
3. いつまでに必要か 期限があるなら先に伝える。期限によって、依頼先の選択肢が変わる。
フリーランスか開発会社かは、案件の規模とリスク許容度で決まる。どちらが良い悪いではなく、合っているかどうかの問題だ。
迷うなら、複数に相談して見積もりを比較する。その過程で、自分の案件に合った相手が見えてくる。
関連ガイド
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