Webサイトリニューアルで失敗する5つのパターンと、避けるための判断基準
中小企業のWebサイトリニューアルでよくある失敗パターンを整理し、発注前に確認すべきポイントをまとめる。
「サイトをリニューアルしたら、問い合わせが減った。」
笑えない話だが、実際に起きる。見た目はきれいになったのに、アクセスが半減。検索順位が落ちた。問い合わせフォームがどこにあるかわからなくなった。
Webサイトリニューアルの失敗は、ほとんどが「始める前」の段階で決まっている。技術の問題ではなく、判断の問題だ。
失敗パターン1:目的が「なんとなく古いから」
最も多い失敗。
「デザインが古い」「スマホ対応していない」「競合がリニューアルした」——どれも動機としてはわかるが、これだけでリニューアルを始めると、ゴールが曖昧なまま進む。
制作会社に「おまかせ」で依頼すると、制作会社は「きれいなサイト」を作る。それは彼らの仕事だから正しい。だが「きれいなサイト」と「問い合わせが来るサイト」は別物だ。
避けるために: リニューアルの目的を数字で定義する。「月間問い合わせ数を10件から20件にする」「採用ページの応募率を上げる」「検索順位でトップ10に入る」。数字がないと、完成後に成功か失敗か判断できない。
失敗パターン2:SEOを無視する
リニューアル前のサイトが検索で集客できていた場合、最も注意すべきポイント。
よくある事故:
- URLの構造を変えた → 旧URLから新URLへのリダイレクトを設定していない → Googleの評価がリセットされる
- ドメインを変更した → これまで積み上げたSEO評価が全て消える
- ページを統合・削除した → 被リンクのある旧ページが消える
- メタタグやタイトルタグが空のまま公開された
避けるために: リニューアル前にGoogle Search Consoleで、現在のアクセスが多いページを確認する。そのページのURLとタイトルは変えない、または正しくリダイレクトする。これは制作会社に明確に伝える必要がある。伝えないとやってくれないことが多い。
失敗パターン3:制作会社に「おまかせ」
中小企業のWeb制作で起きやすい。
社内にWebに詳しい人がいない → 制作会社に全部任せる → 出来上がったものが自社の業務や顧客像に合っていない → 修正を依頼するが追加費用がかかる → 妥協して公開する
避けるために: 制作会社に丸投げしない。最低限、以下は自社で決める。
- 誰に見てほしいか: ターゲットとなる顧客像
- 何をしてほしいか: サイトを見た人に取ってほしい行動(問い合わせ、購入、応募)
- 何を伝えたいか: 自社の強み。他社と何が違うか
この3点が整理されていれば、制作会社は的確な提案ができる。整理されていないと、制作会社が想像で作ることになる。
失敗パターン4:デザインに時間をかけすぎる
トップページのデザイン案に3ヶ月。色やフォントの細かい修正を何度も繰り返す。その間にプロジェクト全体が遅延し、予算も膨らむ。
デザインは重要だが、中小企業のサイトで最も重要なのはコンテンツだ。何が書いてあるか、わかりやすいか、行動したくなるか。
避けるために: デザインの決定に使う時間を決めておく。2〜3案から選ぶ、修正は2回まで、など。完璧なデザインを追求するより、早く公開して反応を見て改善するほうが成果は出る。
失敗パターン5:作ったあとの運用を考えていない
サイトは公開してからが本番。ブログの更新、情報の修正、アクセス解析、改善——これらを誰がやるかを決めていないと、リニューアル直後がピークで、あとは放置される。
避けるために: リニューアルの企画段階で「公開後の運用体制」を決める。
- 誰が更新するか
- 更新に必要な技術レベルはどの程度か(CMSで簡単にできるか)
- アクセス解析を誰が見るか
- 制作会社に保守を依頼するなら、月額いくらか
費用の目安(中小企業向け)
| 規模 | ページ数 | 費用目安 | 期間 |
|---|---|---|---|
| LP(1ページ) | 1 | 5〜30万円 | 1〜3週間 |
| 小規模サイト | 5〜10 | 30〜80万円 | 1〜2ヶ月 |
| 中規模サイト | 10〜30 | 80〜200万円 | 2〜4ヶ月 |
| 大規模サイト | 30〜 | 200万円〜 | 4ヶ月〜 |
この表を見て「自社のサイトは10ページもないのに200万円の見積もりが来た」と思ったら、依頼先の規模が自社の案件に合っていない可能性がある。
リニューアルを始める前のチェックリスト
- リニューアルの目的を数字で定義した
- 現在のアクセスデータを確認した(Search Console、Analytics)
- ターゲット顧客を具体的に言語化した
- サイトを見た人に取ってほしい行動を決めた
- 公開後の運用体制を決めた
- 制作会社の見積もりを2〜3社から取った
- SEOの引き継ぎ(リダイレクト設定)を依頼事項に含めた
Webサイトリニューアルの成否は、デザインの美しさではなく、始める前の準備で決まる。チェックリストを埋めるだけでも、失敗の大半は防げる。
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