ドメイン移管とサーバー移転の違いとは?手順と注意点をわかりやすく解説
ドメイン移管とサーバー移転は別の作業。AuthCodeの取得方法、DNS切り替えの手順、ダウンタイム対策まで、中小企業の経営者向けにわかりやすく解説する。
「ドメイン移管とサーバー移転って、同じことですか?」
違う。全く別の作業だ。でも、混同している人がとても多い。制作会社から「移管が必要です」と言われて、何が起きるのかわからないまま進めている中小企業も多い。
この記事では、ドメイン移管とサーバー移転の違いを、できるだけ平たく説明する。
ドメイン移管とは
ドメイン移管は「ドメインの管理会社を変えること」。
たとえば、ドメインをお名前.comで管理していたが、エックスサーバーのドメインサービスに変えたい。これがドメイン移管だ。
ドメイン移管には、2つの意味が含まれることがある。
- レジストラ間移管(トランスファー) → 管理会社を変える。お名前.comからXserverドメインへ、など
- 名義変更(登録者変更) → ドメインの持ち主を変える。制作会社名義から自社名義へ、など
この2つは別々に行うこともできるし、同時にやることもある。制作会社が廃業した場合は、両方必要になることが多い。
ドメイン移管(レジストラ間移管)の手順
- 現在のレジストラでAuthCode(認証コード)を取得する → 管理画面から発行できる。制作会社名義の場合は制作会社に依頼する
- 移管先のレジストラで移管申請をする → AuthCodeを入力し、移管手数料を支払う
- 現在のレジストラから確認メールが届く → 「移管を承認しますか?」という内容。承認する
- 移管完了を待つ → 通常5〜7日
費用: 移管手数料として1年分の更新料がかかることが多い。.comなら1,500〜2,000円程度。
AuthCode(認証コード)とは
ドメインの「引っ越しパスワード」だと思えばいい。これがないと移管ができない。
AuthCodeは、現在のレジストラの管理画面で確認・発行できる。お名前.comなら「ドメイン詳細」→「Auth Info」の欄にある。
制作会社名義のドメインで、管理画面にアクセスできない場合は、制作会社にAuthCodeの発行を依頼する必要がある。制作会社と連絡が取れない場合は、レジストラに直接相談する。
→ 関連記事:ホームページ制作会社と連絡が取れない!今すぐできる5つの対処法
サーバー移転とは
サーバー移転は「サイトのデータを別のサーバーに引っ越すこと」。
たとえば、さくらインターネットのサーバーに置いてあるサイトを、エックスサーバーに移す。これがサーバー移転だ。
ドメイン移管が「住所の管理会社を変える」なら、サーバー移転は「建物ごと別の土地に引っ越す」イメージ。
サーバー移転の手順
- 新しいサーバーを契約する
- 旧サーバーからデータをダウンロードする → FTPソフト(FileZillaなど)を使って全ファイルをダウンロード
- 新しいサーバーにデータをアップロードする
- WordPressの場合、データベースも移行する → 旧サーバーのphpMyAdminからエクスポート → 新サーバーにインポート
- 新しいサーバーで動作確認する → hostsファイルを書き換えて、本番のDNSを変える前に確認
- DNSを切り替える → ドメインの向き先を新サーバーのIPアドレスに変更
費用: 自分でやればサーバー代のみ(月1,000〜3,000円)。制作会社に依頼する場合、3〜15万円が相場。
ドメイン移管とサーバー移転の違いまとめ
| ドメイン移管 | サーバー移転 | |
|---|---|---|
| 何をするか | ドメインの管理会社を変える | サイトのデータを別サーバーに移す |
| たとえると | 住所の管理窓口を変える | 建物ごと引っ越す |
| 必要なもの | AuthCode | FTP情報、データベース |
| 所要時間 | 5〜7日 | 1日〜2週間 |
| 費用 | 1,500〜2,000円程度 | 3〜15万円(依頼の場合) |
| サイトへの影響 | 通常なし | DNS切り替え時に一時的な影響あり |
DNS切り替えとダウンタイム対策
サーバー移転で最も注意すべきなのが、DNS(ドメインの向き先)を切り替えるタイミングだ。
DNSの変更は、インターネット全体に反映されるまで時間がかかる。これを「DNS浸透」と呼ぶ(正確には「TTLの期限切れによるキャッシュの更新」だが、ここでは省略する)。反映されるまでの間、人によって旧サーバーのサイトが見えたり、新サーバーのサイトが見えたりする。
ダウンタイムを最小限にするコツ:
- TTLを事前に短くする → DNS切り替えの24〜48時間前に、TTL(キャッシュの有効期限)を300秒(5分)に短縮する。これで切り替え後の浸透が速くなる
- 旧サーバーをすぐに解約しない → DNS切り替え後も、旧サーバーは1〜2週間残しておく。浸透が完了するまで、旧サーバーにアクセスが来る可能性がある
- 切り替えはアクセスが少ない時間帯に → 深夜や早朝。B2Bサイトなら週末でもいい
- メールの移行も忘れずに → MXレコード(メールの向き先)も変更する必要がある場合は、メールが届かなくなる時間帯が発生する
完璧にゼロダウンタイムで移行するのは難しい。ただし、上記の対策をすれば、影響を数分〜数時間に抑えられる。
よくある失敗
AuthCodeを取得する前にレジストラが変わった
ドメインの有効期限が切れると、レジストラによっては「復旧猶予期間」中にドメインが別のレジストラに移されることがある。こうなるとAuthCodeの取得が面倒になる。期限が近いドメインは早めに対処すること。
旧サーバーを先に解約してしまった
新サーバーでの動作確認が終わる前に旧サーバーを解約して、データが消えた。DNSを切り替えても旧サーバーにまだアクセスが来ている間に解約して、一部の人にサイトが見えなくなった。旧サーバーの解約は、移行完了の2週間後まで待つのが安全だ。
WordPressのデータベースを移行し忘れた
ファイルだけ移してデータベースを移行しなかった結果、サイトが真っ白になった。WordPressはファイル(テーマ、プラグイン、画像)とデータベース(記事、設定)の両方が必要だ。
→ 関連記事:ホームページ制作会社が廃業したときの対処法
この記事を書いているFloat Engineeringは、中小企業向けのドメイン移管・サーバー移転を手がけています。 「移管と移転の違いがわからない」レベルからでも大丈夫です。状況を聞いて、何が必要かを整理するところから始めます。