STUDIOからの乗り換え——「エクスポートできない」の対処と、移行先の選び方
STUDIOで作ったサイトを別の環境に移したい。しかしSTUDIOにはHTML書き出し機能がない。何が持ち出せて何が持ち出せないのか、移行前の確認事項と、乗り換え先3つの選択肢を整理する。
STUDIOで作ったサイトがある。デザインには満足していたが、料金プランの改定、CMSやフォームの制限、あるいは「やりたいことがSTUDIOではできない」場面が増えてきて、乗り換えを考え始めた——。
この記事では、STUDIOからの乗り換えで最初につまずくポイントと、移行先の選び方を整理する。
STUDIOをやめたくなる典型的な理由
- 料金プランの変化。 プラン改定で月額が上がった、必要な機能が上位プランに移った、という声は定期的に聞く
- CMS・フォームの制限。 記事の件数や項目設計、フォームの送信数・分岐など、事業が伸びるほど「あと一歩」が足りなくなる
- 凝った機能が作れない。 検索機能、会員限定コンテンツ、外部システムとの連携、細かい多言語対応。ノーコードツールの守備範囲を超えると、どうにもならない
- 業者に作ってもらったが、自分では触れない。 STUDIOは「自分で更新できる」ツールだが、制作会社に複雑に作り込まれたサイトは、結局怖くて触れないことが多い
やめる前に確認すること
不満が料金だけなら、プランの見直しで済む場合がある。また、デザイン調整や軽微な機能追加が目的なら、STUDIOに詳しい制作者に依頼するほうが安い。乗り換えは「STUDIOの構造上できないことが必要になった」ときの選択肢だ。
最大の注意点:STUDIOはサイトを持ち出せない
ここがこの記事でいちばん重要な部分だ。
STUDIOには、サイトをHTMLとして書き出す機能がない。 作ったデザインもページも、STUDIOの外に「ファイルとして」持ち出すことはできない。移行とは、実質的にサイトの作り直しになる。
持ち出せるもの・持ち出せないものを整理すると:
- テキスト・画像: 手作業でのコピーとダウンロードは可能。ページ数が多いと相応の作業量になる
- CMSのデータ: 書き出し可否はプランや時期によって変わるため、移行を決める前に現在の管理画面で確認すること。書き出せない場合は手作業になる
- デザイン: 持ち出せない。移行先で再現するか、これを機に作り直すかの二択
- 独自ドメイン: 自社で取得・管理しているなら、そのまま移行先に向け直せる。ここがいちばん大事な資産だ
逆に言うと、◯◯.studio.site のような無料サブドメインで運用してきた場合、URLの資産は移行先に引き継げない。検索順位はリセット前提になる。
乗り換え先は3択
| 選択肢 | 初期費用 | 月額 | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| ① 別のSaaSツール(Wix等) | 0〜30万円 | 数千円 | 正直、あまり勧めない。同じ種類の限界に再びぶつかる |
| ② WordPress | 10〜50万円 | 保守費 月5千〜3万円 | ブログを多人数で頻繁に更新する場合 |
| ③ 静的構成(Next.js等) | 10〜50万円 | ほぼゼロ | 保守費をかけず、速度と自由度を根本解決したい場合 |
②を選ぶ場合は、保守費という新しいコストが発生することを先に知っておいてほしい。詳しくはWordPressの保守費用の相場に書いた。
③の静的構成は、ページを事前生成したファイルとして配信する仕組みだ。サーバーで動くプログラムがないので保守費がほぼゼロになり、表示速度も構造的に速い。更新したい部分(お知らせ・ブログ)はmicroCMSのようなヘッドレスCMSをつなげば、STUDIOのCMSと同じ感覚で管理画面から書ける。ツール全体の比較はホームページ自作ツール比較も参考に。
移行の落とし穴
- URLの構造。 独自ドメインで運用してきたなら、ページごとのURLを移行先でできるだけ維持する。変わるページは301リダイレクトを設定する(STUDIO側のリダイレクト設定はプラン条件があるため、移行計画を立てる前に確認する)
- フォームの届け先。 問い合わせフォームは移行後に必ず実送信でテストする
- 解約のタイミング。 新サイトの公開・ドメイン切り替えが完全に終わるまで、STUDIOは解約しない。並行期間を1ヶ月みておくと安全だ
判断基準
- 不満が料金・軽微な調整だけ → STUDIOのまま見直し
- ブログ運用が事業の中心で、複数人で毎日書く → WordPressも候補
- ページ構成は安定していて、保守費をかけたくない、機能の自由度がほしい → 静的構成への作り直し
この記事を書いているFloat Engineeringでは、STUDIOからのサイト移行を請け負っています(10万円〜)。 代表が直接ヒアリングして、そのまま自分の手で移行します。
「持ち出せるデータがあるか見てほしい」だけの相談でも構いません。