ホームページ制作会社の乗り換え完全ガイド——手順・費用・失敗しないポイント

ホームページ制作会社を乗り換えたい。手順、必要な情報、費用の目安、新しい制作会社の選び方まで、失敗しないための判断基準を具体的にまとめる。


「今の制作会社を変えたいんだけど、何から始めればいいかわからない。」

制作会社の乗り換えを考えるきっかけは色々ある。対応が遅い、担当者が変わった、費用が高い、会社が廃業した。どんな理由であれ、乗り換えの手順は同じだ。この記事では、制作会社を変えるときの流れ、必要な情報、費用、そして失敗しないためのポイントを整理する。

乗り換えを決断するタイミング

「不満がある=すぐ乗り換え」とは限らない。以下のどれかに当てはまるなら、動いたほうがいい。

逆に「デザインが気に入らない」「もっと安いところがある」程度の理由なら、今の制作会社に改善を依頼するほうがコスパが良いことも多い。乗り換えにはそれなりの手間と費用がかかる。

乗り換えに必要な情報リスト

乗り換えをスムーズに進めるために、以下の情報を集める。全部揃わなくても大丈夫だが、多いほど話が速い。

必須レベル:

あると助かる:

情報がわからない場合: WHOIS検索やaguse.jpで外側から調べられる。詳しい手順は別記事にまとめた。

関連記事:サーバー情報がわからないときの調べ方

乗り換えの手順

ステップ1:現状を把握する(1〜3日)

まず、ドメインとサーバーが誰の名義かを確認する。これで対応が大きく変わる。

パターン対応
ドメイン・サーバーとも自社名義最も簡単。ログイン情報を新会社に共有するだけ
ドメインは自社、サーバーは制作会社名義サーバーを移行する必要あり
ドメイン・サーバーとも制作会社名義名義変更または全て移行する必要あり

ステップ2:今の制作会社に連絡する(1〜2週間)

廃業でなければ、今の制作会社に乗り換えの意思を伝える。気まずいかもしれないが、ビジネスの話だ。

伝えること:

契約書に「解約の3ヶ月前に通知」等の条件がある場合は、それに従う必要がある。契約書がない場合は、民法上は合理的な期間をもって解約できる。

制作会社が協力的でない場合は、自力でデータをバックアップし、ドメインの名義変更を進める。それでも動かない場合は弁護士に相談する段階だ。

ステップ3:新しい制作会社を選ぶ(1〜2週間)

後述する「選び方のポイント」を参考に、2〜3社に相談する。

ステップ4:ドメイン移管・サーバー移行(1〜4週間)

ドメインの移管には、AuthCode(認証コード)の取得が必要だ。現在のレジストラから取得し、新しいレジストラに提出する。移管完了まで5〜7日かかる。

サーバー移行は、旧サーバーからデータをダウンロードし、新サーバーにアップロードする。WordPressの場合はデータベースの移行も必要。

DNS(ドメインの向き先)を切り替える際、一時的にサイトが見れなくなるリスクがある。TTL(キャッシュの有効期限)を事前に短く設定しておくことで、ダウンタイムを最小限にできる。

関連記事:ドメイン移管とサーバー移転の違いとは?

ステップ5:動作確認と保守体制の構築(1〜2週間)

移行後にやること:

問題がなければ、新しい制作会社と保守管理契約を結ぶ。

関連記事:ホームページ保守管理契約で失敗しないための5つのチェックポイント

費用の目安

作業内容費用目安期間
ドメイン移管のみ0〜5,000円1〜2週間
サーバー移行(静的サイト)3〜5万円1〜2週間
サーバー移行(WordPress)5〜15万円2〜4週間
ドメイン移管+サーバー移行+保守構築10〜20万円2〜4週間
サイト作り直し30〜100万円以上1〜3ヶ月

「制作会社を変えたら、サイトを作り直さないといけない」と思っている方が多いが、これは誤解だ。データがあれば、サーバーを移すだけでそのまま動くことが多い。作り直しが必要になるのは、データが取得できない場合や、サイト自体を刷新したい場合だけだ。

ただし、制作会社が独自のCMSやテンプレートシステムを使っていた場合は話が別。そのシステムのライセンスが切れると動かなくなるので、作り直しになることがある。WordPressやHTMLで作られたサイトなら、基本的にはそのまま移行できる。

新しい制作会社の選び方

同じ失敗を繰り返さないために、以下を確認する。

1. ドメイン・サーバーを自社名義にしてくれるか これが一番大事。「うちで管理したほうが安心ですよ」と言って名義を渡したがらない会社は避ける。

2. ログイン情報を全て開示してくれるか サーバー、ドメイン、WordPress、FTP——全ての情報を共有してくれるかどうか。「技術的なことなのでこちらで管理します」は危険信号だ。

3. 担当者と直接話せるか 営業だけが出てきて、実際に手を動かす人と話せない会社は伝達ロスが起きる。「代表が直接やります」くらいの規模感が、中小企業にはちょうどいい。

4. 保守契約の内容が明確か 月額いくらで、何をやってくれるのか。どこまでが保守の範囲で、何が追加料金か。契約前に書面で確認する。

5. 解約条件が明確か 「解約時にデータを引き渡す」「違約金は発生しない」——これが契約書に書いてあるか。入口だけでなく出口も確認する。

関連記事:ホームページ制作会社が廃業したときの対処法

よくある心配と回答

「乗り換えたら検索順位が落ちるのでは?」

ドメインを変えなければ、基本的に落ちない。サーバーが変わっても、URLが同じならGoogleの評価は引き継がれる。ただし、移行時にページが一時的に表示されなくなると影響が出る可能性がある。DNS切り替えは計画的に行うこと。

「今の制作会社とトラブルにならないか?」

契約に基づいて正当に解約する限り、法的な問題はない。感情的にこじれることはあるが、ビジネスの判断だ。契約書がない場合でも、合理的な期間(通常1ヶ月程度)をもって申し入れれば問題ない。

「データを渡してもらえないかもしれない」

契約書に「データの所有権は発注者に帰属する」と書いてあれば、引き渡しを求める法的根拠がある。書いていない場合でも、発注して費用を払ったサイトのデータは発注者のものと解釈されるのが一般的だ。


この記事を書いているFloat Engineeringは、中小企業向けのWeb制作・サイト引き継ぎを手がけています。 制作会社の乗り換え相談は何件も受けてきました。状況を聞いて、何をすべきか、いくらかかるか、率直にお伝えします。

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